ランフラットタイヤについて

ランフラットタイヤとは、本来、車を安全に走らせるために考えられたタイヤ/ホイールシステムであります。

現在普及しているタイヤですと、残念ながら高速走行中にパンクした場合、安全に停止出来るかどうかはドライバーの技量と運によって決まるということであり、この技術が必要となった訳であります。

以前、1980年後半にデンロックタイヤというのが初めて市販され、自動車業界では話題になりました。
これは専用タイヤとホイールからなるシステムで、これらはスーパースポーツカーの足になった訳であります。
いわば今回のランフラットタイヤ/システムの原型と言ってもいいでしょう。当時最新のポルシェ959の純正タイヤであり、又、ルーフCTR等にも純正装着されておりました。弊社はこれらのタイヤ装着はすでに実証済みであり、当時、実に巧みな技術に感動した訳であります。

このデンロックタイヤ場合は、現在のランフラットタイヤ/システムに比べますとタイヤのショルダーからサイド部の剛性は若干低いように感じられました。これは、車重に比例するのかもしれません。(あくまでも推測ですが。)

さて、今回の説明になりますランフラットタイヤ/システムとは、タイヤの空気圧が失われても所定のスピードで一定距離を安全に走行できるタイヤ/システムのことです。
(空気圧0kPa時に通常の使用条件下において80km/h以下で80kmまで走行可能)

■急なパンク時でも、所定のスピードで一定距離を安全に走行でき、路上でのタイヤ交換をする必要がなくなります。
■スペアタイヤが不要になり、トランク(荷物)スペースをより有効に活用することができます。
■タイヤのサイド部を補強したRFT等が現在最も普及しております。

サイド補強型ランフラットタイヤ(RFT等)とは、空気漏れが起きた場合、タイヤ自体が車輌を支えるために、タイヤのサイドウォールを強化したタイヤです。このRFTは、低偏平率のタイヤを装着した乗用車、例えばスポーツカーなどに最適のシステムです。

通常、これらはタイヤ交換作業において専用のタイヤチェンジャーが必要となります。

 
今回はNEW BMW5シリーズの純正オプションのランフラットタイヤとホイールについて説明いたします。
タイヤサイズは225/50R-17になります。(ダンロップ製)

ランフラット専用ホイールということですが、通常のタイヤも使用可能ということです。
今回、あるディーラーの依頼で作業することになり、この作業を説明したいと思います。

エアーを抜き、ビード部を落とした状態。

チェンジャーにマウントします。

厚みのあるフランジ部。 通常の3倍位あります。

ノーマルホイールとは違い、タイヤビード部をドロップセンターに落とし込むのは非常に困難。

外されたホイールをよく見てみると

強化されたフランジ。上下ともに分厚いリブが付いています。(パンクしたタイヤが外れないよう工夫してあります。)

外したタイヤはサイドからビード部にかけ分厚く造られています。(非常に硬いです。)

今回は通常市販されているスタッドレスタイヤを装着します。

全く問題なく装着できました。

注意事項ですが、この場合はもちろんランフラットタイヤではありませんので、パンクした場合はすぐにスペアタイヤとの交換が必要になります。 通常、純正オプションのランフラットタイヤを選んだ場合は車両にスペアタイヤが積んでない場合がありますので事前に確認されてからの交換をお勧めします。

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